【Phase1-6】AOUの裏切り者は誰か
裏切り者のメール
都雄が大浴場騎士団を結成した直後、団員が6人しかいない段階で送られたメール。したがって、これはAOUのガントレットナイト6人のうち誰かが送ったことが確定している。
最初の記事にて説明した通り、推理の前提として「誰かの別人格がメールを送った」という考え方は当ブログでは採用しないので、都雄は自動的に外れる。
【Phase1-1】読者の勝利条件は何か - 謎解きは世界大戦のあとで
ジェイデンの可能性
独自の平和軍結成などと夢見がちであったり、都雄(ミャオ)にベタ惚れの態度を隠さないジェイデンが、実は裏切り者という線は考えにくい。
疑う要素があるとすれば、本編のラストくらいであろうか。ここは少々解釈が難しい場面であるが、今後の記事にて考察する予定である。いずれにしても、これだけでは何の証拠にもならないし、「どこへだって一緒」と言うような人物がその相手を悲しませるはずがないと、ひとまずは考えておきたい。
残り4人の可能性
他の人物に関しては、これまでの別記事にて検討した。未読の方は、本記事を読み進める前に参照されることをお勧めする。
【Phase1-2】ギュンヒルドは裏切り者なのか - 謎解きは世界大戦のあとで
【Phase1-3】クロエは裏切り者なのか - 謎解きは世界大戦のあとで
【Phase1-4】コーシュカは裏切り者なのか - 謎解きは世界大戦のあとで
【Phase1-5】リリャは裏切り者なのか - 謎解きは世界大戦のあとで
さて、手がかりは洗い出したものの、最後の二択に関して決め手に欠けるのが正直なところである。そこで、まずはメタ的な視点で「作者は、読者の思考をどのように誘導したいのか」と考えてみたい。
最も疑いにくい人物
前提として、この作品は「ひぐらし」「うみねこ」の流れを汲む推理ゲームである。そして推理ゲームでは、特に「うみねこ」の1話目に顕著であるが、読者が最も疑いにくい人物が真犯人というのが、ある意味でお約束である。
この考え方でいくと、あまり考えずに読み進めた読者が最初に疑うであろうギュンヒルドとクロエの2人は、逆にシロである可能性が高い。また、ジェイデンは最後に青い身体で出てくるし、都雄はおかしな別人格が出てくるので、根拠はないがなんとなく彼らが怪しいと思ってしまう読者もいるであろう。
もう少し読み込んだ読者は、コーシュカだけが都雄の理念に賛同していないことに気づくであろうが、さらに考察を進め、リリャが本編終盤にて別人に変わっていることに気づいた時点で、初めてリリャを疑うことが可能である。
この構造を考慮すると、読者から最も疑われにくいポジションの人物はリリャであり、したがって作者はリリャを真犯人(裏切り者)に設定しているはず、というメタ推理が成立する。
クロエの動機
メタ推理ではない、正当な推理の道筋は、クロエがリリャを殺害した動機を推測することであろう。
そもそも、味方を手にかけるというのはそれだけで軍法会議ものであり、制度次第では死刑もあり得る行為である。その黒い印象に反して正義感の強いクロエがそこまで重大な決断をしたとなれば、それはリリャのことを完全に敵と認識している場合以外には考えられない。クロエを信用するならば、リリャは裏切り者でなくてはならないのである。
結論
AOUの裏切り者は、リリャである。