謎解きは世界大戦のあとで

キコニアのなく頃に考察

【ひぐらし令-3】鬼熾し編の犯人は誰か

謎のモブキャラが死亡

前回同様、ここで言う犯人というのは「鬼隠し」の犯人のことである。鬼熾し編ではラストに圭太郎絡みで別の事件が発生するが、それについては回を改めるとして、今回は綿流しの晩の事件について考察していく。

この事件で死亡するのは、公由喜作の補佐役というポッと出の人物。また、星渡し編と同様、喜作が行方不明となる。

警察の見解は自殺

この事件については、最終話にて魄姫が、警察の見解を沙喜子に伝えている。

その場は「ポラリスの仕業に違いないのに、自殺として処理されてしまうなんて」と言わんばかりの空気であるが、令和の日本警察が自殺と判断したのであれば、実際に自殺であった可能性は高いだろう。

というか、死因からして、これが他殺というのは考えにくいのである。熊谷は「誰かに飲まされたならともかく…」などと言っているが、どうやったら他人に農薬を3本も飲ませることができるというのだろうか。殺したいなら首でも絞めたほうが手っ取り早いし、自殺か他殺かわからないようにしたいとしても、その辺の崖から突き落とすとか、もっとマシな方法があったはずである。

しかし、補佐役の男に自殺の兆候はなかったという。「晩婚で、つい最近生まれたばかりの子供の写真を周りに見せては嬉しそうにしていた」。それでも状況的に自殺なのであるから、その動機が突然発生したという話になる。それは例えば、突発的に人を殺してしまった等の場合であろう。

補佐役が喜作を殺した?

鬼熾し編は、星渡し編と異なり、綿流しの6日後まで物語が続く。

それだけの時間が経っても喜作は帰ってこないし、逆に、容疑者として捕まったというような知らせも入ってこない。となると、これはやはり殺されている可能性が高いだろう。犯人を特定する材料はないが、ここで補佐役の男が殺したものと仮定してみると、自殺の動機については説明がつく。

鬼熾し編でも、喜作が頭を掻いているように見える描写が存在する。精神的におかしくなった喜作と補佐役が口論になり、何かの弾みで……という可能性は否定できない。

また、これはメタ推理に近くなってしまうが、シナリオ進行の都合上「家族以外で喜作に近い人物」が殺人者である必要があったために、喜作の補佐役というキャラクターが突如出てきたとも考えられる。

喜作の死体はどこへ行った?

ところが、このシナリオでは、喜作の死体が見つからない理由がわからなくなってしまう。死体を隠すのは、犯行がバレたくない犯人が行うことであって、罪悪感に耐えられず自殺するのであれば、死体を隠す必要はないからである。

しかしここで、第0話冒頭の描写を思い出したい。

圭一と魅音に何があったのかは推測するすべがないが、重要なのは「何者かが車で圭一の死体を運んでいた」という点である。そして「鬼隠しにする」動機があるのは、黒幕の丸竹だけである。丸竹は基本的に殺人はしないようだが、死体遺棄は彼にとって許容範囲の犯罪なのかもしれない。

丸竹という第三者の介入があったならば、「本来は死体が二つあったのだが、鬼隠しにするため、喜作の死体が隠された」という結論になる。なかなかアクロバティックな論理展開であり、この説が正しいと断言できるほどの確証はないものの、以上で一応の辻褄を合わせることが可能である。

結論

鬼熾し編では、補佐役の男が喜作を殺害し、自殺した。その後、丸竹が喜作の死体を隠した。