【Phase1-14】ブラジリアテロの実行犯は誰か
ディメンジョンコンテナの偶発的な事故
本編では、国際平和調停機構のテロはディメンジョンコンテナの事故であったということになっている。ではLATOのガントレットに誰かが細工していたのか、そんなことは許せない……というふうに話が進んでいく。しかし、我々読者はその前提を疑うべきである。
レトロなカメラ
藤治郎が撮影に使用したカメラは、博物館級のレトロな代物だという。これを藤治郎の趣味で片付けてしまって良いものだろうか。
TIPSを確認しよう。重要な部分がページを跨いでいるので、以下に再掲する。
<御岳フラッシュ(A)>
肉眼を経由した写真撮影が趣味で、無意識にベストアングルを探してしまう。
息子が大好き過ぎて、脳内の画像フォルダは都雄の0歳児からの写真でいっぱいだ。
御岳フラッシュ。作者が笑わせにきていると思いきや、なんとこれが謎解きのヒントになっているのである。
肉眼を経由して、脳内の画像フォルダに写真が格納される……それはアイカメラのことではないか。レトロカメラは肉眼ではなくレンズを経由して写真を撮るのであるし、フィルムを現像しなければならないので脳内にはコピーできない。
思い返してみれば、藤治郎がカメラを取り出す場面はここ以外に一つもない。シリーズのファンであればあるほど、脈絡なくレトロカメラが登場しても「ああ富竹だからね」で流してしまいそうなところであるが、それこそが作者の仕掛けた罠である。
高性能な爆薬
ただしここで、藤治郎のカメラがなぜ問題になるのかについては、とある前提知識が必要である。
掌サイズでは無理かもしれないが、飲料等を偽装して持ち込むことができる高性能な爆薬が、我々の現実世界にも実在する。その名はTATP。
ますます空港セキュリティーチェックが厳しくなってる本当の理由...驚くべき爆破テロの隠し手口アラカルト!(動画あり) | ギズモード・ジャパン
ちなみにTATP爆弾の信管は、なんとカメラのフラッシュ(携帯電話やスマートフォンに搭載されているものでも可)の電熱でも代用できちゃうという話ですから、いざ本当にセキュリティーチェックをすり抜けて持ち込まれてしまったら大変なことになっちゃうでしょうね...
これ以上の説明は不要であろう。
ヴァレンティナのお尻
本気で写真を撮るつもりであれば、もちろんこんなことにはならない。藤治郎は堂々と爆弾をセットしながら、自分がちょうどリジェクションシールドに守られる位置に移動しているわけである。
動画が一度きりしか再生できない形式だったのは、専門家に検証されたら手口がバレてしまうからに他ならない。しかし、極悪人の藤治郎も実の息子には良い顔をしたいし、「都雄たちがこれを見てもどうせわからないだろう」と彼は考えているのである。
結論
ブラジリアテロの実行犯は、藤治郎である。