【Phase1-15】ジェストレスは何者か
ビスケットのアソート缶
ジェストレスの正体を探る糸口はこの場面。いかにも、ここ伏線ですよと言わんばかりの意味ありげな会話である。藤治郎はなぜ、ジェストレスの朝食などというプライベートなことを知っていたのであろうか。
最も自然な考え方は、ジェストレスとは藤治郎自身なのではないかと仮定してみることであろう。たまたま、その日の朝食をとったときにジェストレスの人格が表に出ていたのだと考えれば、それを知っていることに何の不思議もない。
藤治郎とジェストレスが揃って第三者と会話する場面が存在しないということも、この仮説を支持する根拠である。
ジェスター
セシャトは、藤治郎のことを「ジェスター」であると認識しており、また、ジェストレスという人物について言及することは一度もない。
三人の王たちに仕える宮廷道化師が女性でなければならないというルールはない。男性道化師であれば呼び名は当然、ジェスターである。
脳内嫁
言い方からして、ジェストレスは藤治郎の大事な人のようである。しかし本人ではなく、自分の中に作り出した仮想的な人格であると推測することができる。ゲームの設定上、自分の別人格との会話が可能であることは、都雄とミャオの関係によって明確に示されている。
おそらく藤治郎とセシャトは男女の仲であり、そのためにジェストレスの存在を隠している。考えようによっては浮気であるし、何より、自分の中に女性の人格があるなどと言ったら要らぬ誤解を招くのがオチである。しかし、三人の王たちとの関係についてはセシャトに言っておく必要があるため、藤治郎は自分のことをジェスターであると説明しているわけである。
元嫁
藤治郎とフィーアは面識があったことが描写されており、またジェストレスの髪の色はフィーアと同じである。したがって、フィーアが「元嫁」であり、藤治郎が彼女と別れた後、その思い出を元に作り出した人格がジェストレスであるという可能性が高い。
もっとも、ハードボイルドを気取っている藤治郎が、脳内では元嫁の幻を相手に一人芝居しているとするならば、前作の誰かさん並に痛い人物ではある。
結論
ジェストレスは、藤治郎の別人格である。